ル・コルビュジエ「カップ・マルタンの休暇小屋」のレプリカを見てきた!

ル・コルビュジエをみなさん知ってますか?「近代建築の三大巨匠」と言われ、アール・ヌーヴォー建築から現代のモダニズム建築に初めて提唱した人と言われてます。

「カップ・マルタンの休暇小屋」とは、そのル・コルビュジエが設計した小さな小屋になります。1965年8月にル・コルビュジエは休暇小屋から程近くの海岸で、心臓発作のため亡くなり、この小屋が巨匠の最後の家となりました。

以前から一度この実物を見て中を体験したいなと思ってたのですが、現物は南仏の避暑地リヴィエラになってしまいあきらめていました。ところが何気なくネットで検索していると、なんと日本国内でも原寸レプリカを体験できる事が分かりました。

場所は日本の埼玉県行田市ものづくり大学キャンパス内と言うことで、これは行くしかない!と思い今回行ってきました。

実際に見ると、数々の名作を残した20世紀を代表する建築家が「人が住む家」のあるべき姿を考え抜いた結果が、この意外なほど質素な小屋だというのはとても興味深かったです。

この家は居住空間を 2260×1400mm の 4 つの長方形と 860×860mm の正方形に細分し、 それぞれのスペースに個別の機能を与えるととも に、最寄り駅からのアクセスも含め、黄金比の螺 旋状空間に沿って小屋中央にアプローチするコンセプトになってます。

小屋の外観は一見ログハウスのように見えますが、実際には丸太は使われていません。丸太では無く原木の製材過程で出た端材を合板に貼り付けただけという、施工方法になっています。周辺環境との調和を図りながらも、目的と手段を整理し、徹底的に合理性を追求した設計姿勢は、とても興味深いです。

休暇小屋の構成は約8帖のワンルームで、天井高は2,260㎜と大変コンパクトな空間です。この2,260㎜は身長182.9㎝の大人が、手を上げたときの高さに由来しています。天井高は一様ではなく、一部2,800㎜となっており、ロフト収納になっています。そのため「8帖ワンルーム」の響きから受けるほどの窮屈さは感じませんでした。

リヴィエラに建つ実物はレストランに増築されているため、写真にある壁は見えることがありません。レプリカでは、何も無いと寂しいのでモデュロールを表す絵画が配されています。

カップマルタンの休暇小屋はモデュロールに基づいた独自の設計がなされています。そのため、戸・窓・家具・扉・金具・照明器具、どれをとっても既製品は一つもありません。

ものつくり大学の原寸レプリカは、パリのル・コルビュジエ財団から事前承認を得て、現地実測調査 → 設計 → 確認申請 → 施工と、長い工程を経て完成されました。驚くべきことに、ネジの一本に至るまでを学生たちの手によって、忠実に再現されているそうです。

建設学科で作成した図面をもとに、扉や窓の蝶番、洗面器などの金属部品はある生徒が留年してまで具現化されたとのことです。また、制作にあたって作成された図面総数は220枚にものぼったそうです。。テーブル上に図面集として置かれています。見学時には実際に手に取って見る事ができました。

内装の多くは合板むき出しの状態で、部分的にペンキで着色されています。もちろんこれらも実物通りだそうです。クロスも貼られていなければ、天井の照明もありません。代わりに小窓の横には鏡があり、採り入れられた光が反射し、室内を満たしています。

ル・コルビュジエは、母へ「レマン湖の小さな家」を送っています。彼にとって「最小限生活できる住居」とは、ずっと考えていたテーマだったのかもしれません。この「レマン湖の小さな家」も今度ものづくり大学キャンパス内に建設予定だそうです。今は基礎工事のみでした。

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